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自分の場合のiDeCoを計算してみた シリーズ3/4 受取時の減税はどのぐらい減なのか


そもそもiDeCoとはなんぞやというかたは、前回の記事を参考に。

個人型確定拠出年金(iDeCo)がどのぐらいメリットデメリットがあるかは、人によって条件が異なるので、結局、自分がどのくらいメリットあるか調べないと意味がないなと思いまして、色々と計算してみました。



シリーズ1 所得控除はどのぐらい節税か

シリーズ2 運用益非課税はどのぐらい得か

シリーズ3/4 受取時の減税はどのぐらい減なのか

シリーズ4/4 コスト、デメリットも見ておこうか



シリーズ第3回は受取時の税制についてです。

そう、所得控除で拠出できますよと謳っておきながら、受け取る時には税金がかかるのです。これをみて、「自分で積み立てた金を自分で受け取るのに結局税金がかかるんじゃ、減税じゃなくて繰り延べ税金じゃないか。意味ないじゃん!」という方もいらっしゃるかもしれません。

確かにそうなんですけどね。では本当に意味がないのか。見ていきましょう。

※長いのでポイントを先にまとめました。
ポイント
・退職金が退職控除額より少ない私は、退職所得として受け取るメリットが大
・退職所得だと940万受け取っても税金は25.5万
・所得控除と受取時の退職金扱いで繰り延べ節税が最低でも79万
・復興税分節税になる可能性有り
・そもそも退職金だけではやっていけないという事実に直面

さて、本題に入ります。
確定拠出年金の受け取り方法は2種類あって、退職時に一括で受け取るか、年金と同じように受け取っていくか選べます。選べるというだけでかなり有利だと思います。その時の自分の状態でより有利な方を選択できるのです。

ただ、受け取り方によって、税金のかかり方が異なります。
退職金のように一括で受け取る場合は退職金控除が適用されます。
一方、年金として受け取る場合は公的年金等控除が適用されます。
自分にとってどちらが有利かは、退職金・年金を知らないと検討できませんのでそれらを知る必要があります。

これが結構面倒でした。結局、自分が受け取れる年金の額はわからなかったので、今回は退職金として全て一括で受け取ることについて検討してみます。
シリーズ2で書いたとおり、個人型確定拠出年金を26年間7176000円積み立てた場合で考えます。

退職金については会社の資料等を調べました。私がこのまま今の会社で働き続ける事ができ、今の給与水準がさほど変わらずに推移した場合、受け取れる退職金は1390万円でした。

退職金については、退職所得として税金がかかり、また、他の所得とは別に税金計算を行います。そして、退職金控除というのがあります。
退職金控除は、勤続年数20年までは
40万×勤続年数
勤続年数20年以上は
800万+70万×(勤続年数―20)
で求めます。

このまま今の職場で働き続けた場合、35年となるので、
800万+70万×(35-20)
=800+70×15
=1850万

即ち、退職金のうち1850万までは非課税となります。

個人型確定拠出年金についてはシリーズ2の通り、年利2%で運用できたとして、約940万受け取れると仮定します。

退職所得
={(会社からの退職金+確定拠出年金一時金+その他退職所得扱いとなる収入)―退職控除}×1/2
=(1390+940+0-1850)×1/2
=(2190-1850)×1/2
=340×1/2
=170

退職金の税は、得られるお金に1/2をかけて求めるため、税金が大きく減ります。老後の生活に必要なお金という事で、税金の負担が減るような措置がとられています。

さて、所得税を計算します。
退職金は他の収入とは独立して税金がかかります。
所得税
=所得×税率―控除
所得税率表より、
退職金にかかる税金 国税庁
170万の税率5%、控除額0円であるので、
=170×0.05-0
=8.5
所得税8.5万となります。

次に住民税を求めます。
住民税は一律10%ですので計算しやすいです。こちらも退職所得に対して計算してよいことになっています。
住民税
=退職所得×10%
=170×10%
=17
住民税17万

所得税8.5万+住民税17万
25.5万が退職所得にたいして課税されます。

仮に退職金が退職控除ぴったりだったとしたら?その場合は確定拠出年金から受け取る金額全額が退職税の対象となります。
退職税=所得税+住民税
=(1850+940+0-1850)×1/2×税率―控除 + (1850+940+0-1850)×1/2×10%
=940×1/2×税率―控除 + 47
=470×0.20-42.75 + 47
=51.25 + 47
=98.25

退職税98.25万円となります。

ちなみに、940万を普通の所得として受け取った場合、一時所得と雑所得でも異なりますが、その1/2or全額が他の所得と合算され、その額に税金がかかります。ようするに所得税率が上がるのでより多くの税金を支払う必要が出てきます。
退職所得で受け取れるというのは大きなメリットですね。


さて、先ほど、「拠出年金は所得控除というが繰り延べ税金じゃないか」という考え方を示しました。
ここで、拠出時の税金控除:所得控除と受取時の課税:退職所得を勘案して計算してみます。
2.3万を毎月積み立てると、何もしないと毎年27.6万円に税金がかかります。収入が195~330万で推移し続けた場合、毎年10.21%の所得税が引かれるので毎年28179円、26年で732654円程引かれます。即ち、確定拠出年金制度を用いると732654円の節税になります。
それでは確定拠出年金で、26年後受け取るとどうなるか。ここでは利回り0%、717.6万をそのままもらう前提で計算します。また、退職控除いっぱいに退職金がもらえるという夢のような課程の元計算します。即ち、717.6万が全て課税対象となる場合を想定します。

退職所得税
=717.6×1/2×税率―控除
=358.8×0.2-42.75
=29.01
受取時の税額29万円となりました。

住民税も同様に考えると、確定拠出年金制度で優遇される住民税2.76万×26年=71.76、退職所得にかかる税717.6×1/2×10%=35.88 となります。

所得税と住民税を合わせると、確定拠出年金制度を利用して得られる節税効果144万円、受取時にかかる税金65万
もちろんこれは確定拠出の運用が±0の利回りだった時の話ですが、全額定期預金で組んだらこれに近い値になると思いますがどうですかね。
これは収入が多い人ほど、確定拠出分にかかる税金も多くなるため、より節税が見込めます。さらに、退職金が退職控除と同等に出ることを前提に計算しましたので、退職金が少ない人ほど、より大きな減税が見込めます。
ともあれ、最低でも79万近い節税が見込める事がわかりました。

節税と繰り延べ税金の要素が合わさっているので、繰り延べ節税という捉え方が一番しっくりくるのではないかと思っています。

それと、毎年確実に自分の資産からとられる税金と、26年後に一括で支払う税金ではお金の価値が異なります。運用に回せる資金がより多く手元にある状態でいられるため、後者の方が税金をとられるのが遅いためよいのです。



さて、今の計算を比べて、フェアじゃない!と気づいた方はいますか。拠出しない場合は復興税が組み込まれているのに対し、確定拠出年金で受け取る場合は復興税が組み込まれていません。

実はこれ、合っているんです。多分。

精確には、拠出しない場合も22年目以降は復興税がかからないので、その分税金も減るのですがそこはご勘弁を。

復興増税は平成49年12月31日までですので、残り21年です。従って、拠出年金を受け取るのに22年以上余裕がある人は、拠出金額分の復興税を免れる事ができると思うのです。・・・合っていますかね。あまり自信ないですけど。

復興税は、所得税に2.1%上乗せされます。所得税率×102.1%で求めます。10%→10.21%、15%→15.315%、20%→20.42%・・・従って、所得税率が高い人ほど、復興税の負担も大きいのです。
この法律が今後どうなるかは全く読めませんが、現時点では、平成50年以降は復興税が無くなる予定ですので、その分の節税が見込めます。
ただし、復興税が今後どのような扱いになるかは不透明ですので、おまけ程度に考えておいた方が良いかと思います。この先25年の間に、先のような自然災害が起こらないという保証もありません。その時にはこの法案の延長というのも十分あり得そうです。





ところで、退職金1390万って、どうですか。

「退職後は仕事に束縛されず、老後のゆとりある生活で楽しいシニアライフが待っている。そのためにも今は働いて頑張ろう。」なんてフレーズや刷り込みがされていませんか。私はこの刷り込みが強くされていました。退職後に必要なお金は数千万とも億とも言われていますが、普通に働いていれば、老後必要な最低額の退職金3000万ぐらいもらえて、年金合わせて悠々自適な生活が送れる。そう思っていました。

それが、実際調べたら1390万。やや少なめに見積もっていますが、普通水準でも2000万には届きません。退職金が出ない会社も25%あるという記事も見かけましたし、もらえるだけでよいのかもしれませんが、全然少ないです。
確定拠出年金について色々調べる中で一番の収穫といえるのがこれです。
「このままじゃ老後のお金は満足いけないぞ」と突き付けられました。


ポイント

・退職金が退職控除額より少ない私は、退職所得として受け取るメリットが大

・退職所得だと940万受け取っても税金は25.5万

・所得控除と受取時の退職金扱いで繰り延べ節税が最低でも79万

復興税分節税になる可能性有り

・そもそも退職金だけではやっていけないという事実に直面





あくまで、私の場合の試算ですので、ここに出てくる数字をそのまま受け取らないようにしてくださいね。ご自身で計算してみるとよいと思います。

参考まで。
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パーサモウニアス

Author:パーサモウニアス
手取り17万なのに家賃7万で生活できるのか?
そんな無謀な生活を続けるために、日々の節約や家計簿を淡々とつけ続けるという実験日記です。
投資ド素人サラリーマンが資産運用に興味を持ち始め、それらの記録がてらブログを始めました。
資産運用の基本方針

日経電子版に紹介されました
パーサさん、月16万生活で資産形成(投信ブロガー)

150411開始
2016年、FP3級を取得
twitter始めました。
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