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2020年からNISAを使うならどちらがいいのか計算してみた


こんにちは。一般NISA派のパーサです。

●導入●
資産形成の上で、税制優遇されているNISA制度は強い味方だというのは間違いないと思います。
しかし、一般NISAとつみたてNISAのどちらが良いのかというブログをしばしばみていて、自分でもよくわからない部分がありました。

そこで今回は、積立投資のシミュレーションを行い、どちらがよいのか比較検討してみました。

今日の結論は、
長期目線ならNISA制度が有効!
です。

なお、グーグルスプレッドシートで作成していますが、なにぶん素人が作ったものですので、
数字や数式は間違いがあるかもしれません。
また、マクロの知識がないので、すごいアナログですがご容赦ください。
ふんわりとこんな感じかもな、ぐらいなイメージを掴む参考程度にご笑覧ください。

●背景●
小額投資非課税制度(以下NISA)は、資産運用で得られる利益に対する課税が免除される制度です(Ref1.金融庁)。
長期的な運用を行っていく上で、税金が免除される分、複利効果がより有利に働きます。

NISAは、一般NISAとつみたてNISAがあり、投資初心者のハードルを下げると謳いながら結構ややこしくなっています。

よく見る従来の解説では、一般NISAでは非課税枠は600万円なのに対して、つみたてNISAのそれは800万円だから後者が有利であるという主張です。

しかし、例えば2020年からNISAを始める場合、一般NISAで2023年まで4年間フルで投資すると480万円。2024年から2037年までつみたてNISAでフルに投資すると560万円。非課税枠は合計で1040万円となります。一見、組み合わせたほうが有利に見えます。

さらに、令和2年度税制改正があり、つみたてNISAの期間延長、及び、一般NISAが新NISAとして引き継がれることが示されました(Ref2.令和2年度税制改正について 金融庁)(Ref3.2024年から新NISAがスタート。一般NISAとつみたての合体版 トウシル 楽天証券)。

制度の改正を踏まえて、自分なりにシミュレーションをして、どちらの制度がより自分に合っているか検討しておく必要があると考えました。

そこで今回私は、”一般NISA(+新NISA)とつみたてNISAを併用して非課税枠を大きくしたほうが将来的なリターンは高くなる”という仮説を立てて検証を行いました。

●方法●
”自分が想定する利回り”、”自分が毎年拠出できる投資額”を入力して、どちらの制度がより自分に合っているのかを計算するシートを作ってみました。

NISA節税効果計算表2020年版

グーグルスプレッドシートで限定的に公開しますので、数字を入れて遊んでみてください。

・年始に一括投資を想定
・復興特別所得税を考慮
・運用利回りは任意の数字を入力
・年間投資額は任意の数字を入力
・非課税運用分は非課税期間終了後、課税口座で運用継続
・2020年に投資した金額の10年毎の推移を表にした
・2042年まで毎年投資した場合の資産の推移を表にした
・20年間の積立投資成績予想をグラフ化
・各NISA制度を用いた10年毎の成績を課税口座での成績と比較したグラフを作成

シートの見方は年利3%、年間投資額120万円を例にしています。以下、結果についても年利3%、年間投資額120万円を想定して計算しました。

表1:運用利回り入力、年間投資額入力
NISA-table1.png

表1で運用利回り、年間投資額をまとめました。
運用利回りを入れると、2037年までの復興特別所得税を加味した利回り、2038年以降の所得税20%を考慮した利回りが表示されます。非課税期間中は表面利回りがそのまま反映されるようにしました。

年間投資額を入れると次の項目がどのぐらいか算出されるようにしました。
・つみたてNISA(つN)に使える額
・つみたてNISA分を差し引いた課税投資額
・一般NISA(一N)投資額
・一般NISA分を差し引いた課税投資額
・新NISA(新N)1階部分投資額
・新NISA2階部分投資額
・新NISA分を差し引いた課税投資額
・新NISA1階部分を差し引いたつみたてNISA投資額
・新NISA部分とつみたてNISA投資額を差し引いた課税投資額

運用のイメージは次の通りです。
image1.一般NISA+新NISAロールオーバー
NISA-image-ippan.png
一般NISAは最大120万円を5年間&新NISAのロールオーバー枠でプラス5年の計10年間非課税で運用し、その後はすべて課税口座で運用を想定

image2.つみたてNISA
NISA-image-tumitate.png
つみたてNISAは40万円を20年間非課税+残り(この例の場合80万円)を課税口座で運用を想定

image3.一般NISA+新NISA+つみたてNISA
NISA-image-ippantumitate.png
2023年まで一般NISA、2024年は新NISA,2025-2028は一般NISAから新NISAへロールオーバーし、2029年からはつみたてNISA(余剰分は課税口座)で運用を想定

image4.課税口座のみ
NISA-image-kazei.png
NISA制度を用いない運用を想定。

●制限事項●
今回は新NISA制度に移行した途中からつみたてNISAを開始するパターンを想定していません。より効率の良い投資方法がある可能性があり、その点は今後検討すべき課題です。
また、株価は上下変動が激しく、相場環境によっては今回の計算が当てはまらないことがままありえます。
根本的に、計算式が間違っている可能性も残っています。さらなるチェックを継続したいと考えています。

●結果●
表2:2020年に投資した額のリターン推計
NISA-table2.png

まず初めに、2020年に投資した分の運用推移を示しました(表2)。
2020年に投資したお金の20年後の成績は、つみたてNISAだと200.6万で、一般NISAでは204.3万円となります。課税口座で運用するよりも、どちらも節税効果が表れています。
また、運用期間が長ければ長いほど、節税による複利効果の影響が大きくでていました。
2020年単年で見た場合、投資額が大きい今回のようなケースでは、一般NISAのほうが成績が良くなることがわかりました。

表3:2020年から2042年まで23年間積立投資を継続した場合のリターン
NISA-table3.png

表3では、2042年まで毎年積立投資をした時の運用成績の比較を示しました。
20年目の成績を見ると、つみたてNISA単独の運用が最も成績が良く、次点は僅差で一般NISA(+新NISA)+つみたてNISAの組み合わせ運用でした(図1)。いうまでもなく、想定通りの運用であれば、元本よりも顕著に高い評価額が得られることがわかりました。また、どのNISA制度を用いても、課税口座で運用するよりも多くのリターンが期待できることがわかりました。

図1:毎年積立の20年目の成績
NISA-fig1.png


長期で見ていくと、10年ではほとんど差がありませんでした。運用期間が長ければ長いほど、元本との乖離は大きく、より有利に資産が増えていくことがわかりました(図2)。
図2:積立投資の10年毎の運用成績予想比較
NISA-fig2_20200602142200e86.png

いずれのNISA制度を用いても、課税口座で運用するよりも有利であることが明らかであり、長期であるほどそれがより顕著だということがわかりました。

課税口座との差をより明確に示すために、課税口座で運用した時とNISA制度を用いて運用した時の成績の差を表にしました(表4)。

表4:非課税制度利用による節税効果
NISA-table4.png


グラフに直したものが図3です。

図3:非課税口座で運用した場合の課税口座との運用成績差
NISA-fig3_202006021422021a6.png


図3に示した通り、運用20年時点でつみたてNISA投資が最も節税効果が高く、その後年数を増すごとに一般NISA(+新NISA)の運用との成績の差が大きく開いていきました。

投資を始めてから20年目までに一般NISA(+新NISA)+つみたてNISAとつみたてNISA単独の節税効果が逆転しているようなので、課税口座との運用成績差を1年毎のグラフに示しました(図4)。

図4:非課税口座で運用した場合の課税口座との1年毎の運用成績差
NISA-fig4_202006021422036c7.png


つみたてNISAと比べ、16年目までは一般NISA(+新NISA)が有利でした。17年目からは逆転し、つみたてNISAが有利となりました。
一般NISA(+新NISA)とつみたてNISAの併用では、19年目までは併用が有利ですが、20年目からはつみたてNISA単独が逆転して優位となりました。

これらのことから、2020年初から投資をする場合、運用期間20年まではつみたてNISAよりも一般NISA(+新NISA)を利用するほうがよく、20年越えの超長期運用をするのであれば、つみたてNISAと課税口座を利用するほうが良い結果が得られる可能性が高いことが示唆されました。

●考察●
一般NISA(+新NISA)+つみたてNISAを利用し、非課税枠を大きくしたほうが運用効率が良いという仮説を立てて検証を行いましたが、20年越えの超長期運用の場合はつみたてNISA+課税口座を利用したほうが良いことがわかりました。
これはおそらく、非課税期間が長期にわたることで、節税された部分にかかる複利効果が増大することが考えられます。
長期投資前提の分散長期投資とつみたてNISAの相性の良さが明らかになりました。

一方で、20年までの長期投資であれば、一般NISA(+新NISA)に軍配が上がることもわかりました。これらのことから、何が何でもつみたてNISAが良いわけではなく、個々人の運用目標に応じて使い分ける必要があることが示されました。

また、一般NISAでは年間120万円の拠出が求められます。もちろん非課税枠一杯にする必要はないのですが、つみたてNISAの40万円よりも目標が高く設定されるので、一般NISAを利用することがコミットメントとなり、より着実に多くの資金を運用に回しやすくなるという心理的な効果が期待できる可能性があります。

ただし、ここで示した計算は机上の空論であり、実際には価格の上下変動が激しく起こります。したがって、これらはいずれも自分のリスク許容度の範囲内で行うことが大前提です。一時的に評価額が暴落したとしてもコツコツと投資を続けないと長期運用のリターンが期待できません。

だからといって、一般NISA(+新NISA)を選んだとしても、暴落を危惧して短期で決着をつけようとする必要はないと個人的には考えます。
例えば一般NISAで120万円を5年運用した先に暴落があったとして、評価額が100万円になったとしましょう。その時には新NISAにロールオーバーをして、その年課税口座で投資する予定だった資金の一部を残りの22万円の非課税枠で運用すれば済む話です。
その前提として、変わらない生活基盤と毎年一定額を投資するというルールが習慣化されている必要がありますが、暴落に備えた資産運用の一部として定着化できればよいのではないかと考えます。

Ref4.「つみたてNISAについて」金融庁の資料にある通り、”20年の投資なら年率2~8%に集束するから長期投資を前提に考える”ことが一般的ですので、20年越えの運用で有利になるつみたてNISAを最初に考えることが一般的かもしれません。ただ、老後の資金という意味合いであるならば、iDeCoや企業型年金も有用であると思われますので、そのような制度との併用も視野に検討することで、よりよいプランが立てられそうです。

どちらのNISAを選ぶにせよ、投資信託を軸にした長期分散投資との相性が合うことが示されました。非課税枠で浮いた資金の複利効果を最大限に生かすためにも、長期投資を前提としたNISA制度の活用は有効であることが示されました。

●結語●
どっちの制度を選んだとしても、課税口座で運用するよりも有利なことは明らかだし、好きなほうを選べばええんやで。

これに尽きます。自分の運用目的に合った制度を選んで、時間を味方にじっくりと運用していきたいですね。

●参考文献●
Ref1.NISAとは? 金融庁HP
Ref2.2019年12月, 令和2年度税制改正について 金融庁
Ref3.2020年2月13日, 2024年から新NISAがスタート。一般NISAとつみたての合体版 トウシル 楽天証券
Ref4.2017年6月, 「つみたてNISAについて」 金融庁

今回作成したグーグルスプレッドシートはこちら。
NISA節税効果計算表2020年版


●COI●
開示すべき利益相反はありませんが、利益をもたらしたいという方がいたら受け付けます(笑)


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Author:パーサモウニアス
手取り17万なのに家賃7万で生活できるのか?
そんな無謀な生活を続けるために、日々の節約や家計簿を淡々とつけ続けるという実験日記です。
投資ド素人サラリーマンが資産運用に興味を持ち始め、それらの記録がてらブログを始めました。
資産運用の基本方針

日経電子版に紹介されました
パーサさん、月16万生活で資産形成(投信ブロガー)

150411開始
2016年、FP3級を取得
twitter始めました。
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