ブログのお試し校閲を受けました
好きな文章は140文字!こんにちは、パーサです。
先日、ツイッター仲間のなまずんさんがこのようなツイートをしていました。
ブログやnoteの日本語の手直しの助言とか需要あるだろうか?
— なまずん🐠20代インデックス投資🐠 (@gameoftheweak) June 4, 2020
仕事でもプライベートでも思うのは,素材を生かしきれていない文章が多いこと。
言葉は商品そのもの。少しの改善で,わかりにくい表現や誤解を生む言い回しが劇的に変わるのにな……。
需要を探りたいので,気になればお声がけください笑
聞くは一時の恥、というわけで私も手を挙げました。
校閲を受けてから1月以上経ってしまいましたが、いまさらながら記録として残しておきたいと思います。
結果として、受けた校閲を元に記事をリライトして洗練するだけではもったいないぐらい、実に多くの気づきをもらいました。
なので、どのような指摘を受けたのかをそのまま記すことで、サービスの内容をお伝えできればと思います。
校閲の感じをお伝えするために、できるだけはしょらずに再現して書きましたので、少々長いですが興味ある方はお付き合いいただければ幸いです。
●校閲で受けたアドバイス(ほぼ)全文●
校閲の手順は、校閲を受けたい記事を自分で選び、グーグルスプレッドシート(以下ググスプ)で添削を受ける流れでした。
ちなみに、私は最近の記事で反響が大きかった”給付金10万円の使い道はこの2パターン”を選びました。
初めに、[全体を通して]・[記事の校正とタイトル]・[個別の文] の3点についてコメントを頂きました。
以下、なまずんさんのコメントをこげ茶色で示します。
ほんとはなまずんさんカラーの黄色にしたかったのですが、黄色は見にくいための対処です。
●全体を通して
話題のテーマについて,パーサさんの考えや思いがよく伝わってくる記事でした。総じて読みやすい構成・記述で,頭のよい人が書いたんだなぁと感じました。引用やリンクなどの事実を示すほか,日本株インデックスファンドを選ぶ理由などは独りよがりにならず,読み手にきっちり伝わる親切な情報提供になっていると思います。
改善できそうな点としては,とくに見出しについては,もう少し内容を具体的に入れ込んでもよいかもしれません。この記事の場合は,読み手に見出しで記事の流れを把握してもらえると,より効果的に内容を伝えられると思います。
個別の文のレベルでは気になったところがいくつかありましたのでコメントアウトしました。とはいえ,記述に問題があるというよりも,より明快に意図を伝えるには……という視点の意見です。推敲の際に意識されるともっと魅力を伝えられるかなと感じました。
●記事の構成とタイトル
構成はほぼ,この形で決まりだと思います。気になるとすれば,「ハウスマネー効果に気をつけよう!」が結論,と冒頭でやや唐突に述べている割には,最終的には「日本株アクティブファンドに投資する」というところに重きが置かれてしまっている印象です。
それぞれは別の話で矛盾が生じているわけではないのでこのままでも問題はありません。ですが,主題はおそらく,「ハウスマネー効果」ではなく,「(ハウスマネー効果に注意して)消費・投資などの使いみちを自分で考えよう」ということなのではないでしょうか?
・冒頭を「ハウスマネー効果に気をつけながら,自分で考えて消費・投資にまわす」などと変更する
・「ハウスマネー効果」に関する見出しを少し下のランクにうつす
・「私はどうするか」にもう少しハウスマネー効果に関する言葉を追加する
などという工夫ができるかもしれません。
●個別の文
余計な言葉が少なくて好感を持ちました。読んでいくうえで,気になった点としては次のようなところです。
・主語と述語を一致させる(長い文では,主語・述語がやや不明確になりがち)
・やや冗長な言い回しがあるので,割愛しても変わらない言葉は割愛する
・事実の紹介など,断定できるところは断定する
・対象読者によって,漢字を使うかひらがなを使うかを判断する
いずれも,投稿ボタンを押す前の推敲などで少し補えるとよいかもしれません!
なお,助詞の使い分けなどはやや気になるところもあるのですが,「やや気になる」程度です。十分に伝わるので個性としてこのままでもよいかもしれません。上記のような点のほうが,内容に関わるところですので,まずはこちらを意識されるとわかりやすくなるかと感じました。
続いて、個別のコメントです。
ブログの原文を四角で囲み、なまずんさから指摘を受けたところを追加で記載しています。
こんにちは。絶賛在宅勤務中のパーサです。
コロナウイルスの世界的な蔓延により、至る所に影響が出ています。
日本においても例外ではなく、株価や経済に大きなダメージを受けていますね。
そんな中、政府は新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として、(紆余曲折を経て、)国民に一律10万円を支給することを決めました。
参考: 特別定額給付金(新型コロナウイルス感染症緊急経済対策関連) 総務省HP
→ソースをこのように参考に入れるのはよいなと感じました。
その使い道について色々と話題になっていますが、私が思うに、使い道は大きく分けて2パターンかなと思います。
→思うに ~ 思います。
という表現になってしまっているので,
・私は~思います。
・私が思うには,~です。
のどちらかにしてはいかがでしょうか?
即ち、
→間違っていないのですが,人によっては読めないかもしれません。対象読者によってはひらがなを使うこともご検討ください。
1. 家計の予算に組み入れて、家計全体を見てから使い道を決める。
2. 10万円給付の趣旨に則って、有効に活用する。
この2つです。
今日の結論は、ハウスマネー効果に気を付けよう!です。
→ここまでの導入とは急に違うキーワードが出てきて唐突感があるかもしれません。キーワードを入れるのは良いと思いますので,以下のように,つなぎの文を入れてはいかがでしょうか?
いずれにしても,この10万円の使いみちを考えるときに注意すべきことは何でしょうか?
それは,「ハウスマネー効果に気をつけよう!」ということです。
◆そもそも今回の給付金とは。◆
特別定額給付金(仮称)の概要と目的、内容などについては、総務省のHPに公開されていますので、一度目を通しておくと良いと思います。
→「について」 を割愛してもよいかもしれません。省略しても意味が変わらない言葉は,割愛するとスッキリします!(次の文の「目的としては」の「として」も同様です)
目的としては次のように掲げています。「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う。
3密を避けつつ、国難を乗り越えるための給付なのでしょうかね。
→引用箇所では「国難を克服しなければならない」と言い切っているので,ここは言い切ってはいかがでしょうか。一貫性がないようにも見えてしまうかもしれません。
この状況で医療現場とか薬局とかスーパーとかインフラとかで働いている人のおかげで、不便を感じつつも平穏に暮らせているので、ほんとありがたいです。
→今回の本題「ハウスマネー効果」には直接つながらないので,この部分は割愛してもよいかもしれません。(あってもよいと感じますが,なかなか本題に届かないような印象もありました)
今一つ全国民に配る根拠に乏しい気がしますが、なんにせよ貰えるものは貰います。
→「いまひとつ」は「乏しい」にかかるので,以下のようにすると文章が少しスッキリしそうです!
全国民に配る根拠に今一つ乏しい気がしますが,
◆ハウスマネー効果(あぶく銭効果)◆
→見出しにはもうひと工夫できそうです。
本文に即して,ハウスマネー効果について,何が言いたいのかまでを見出しに入れてはいかがでしょうか?
・労せずお金を得たときに注意したいハウスマネー効果(あぶく銭効果) など
思いもかけず部屋の隅からお金が出てきたときや、確定申告で税金が還付されたときなどに、ついつい豪勢にお金を使っちゃった経験がありますか?
行動経済学に出てくる、人間がやりがちな不合理な行動の一つに“ハウスマネー効果”というのがあります。
人間は、苦労して得たお金より労せず得たお金の価値を低く見がちであり、そういうお金の使い方は荒っぽくなってしまうことがあります。
→要点に強調を入れていくのはよいと感じました。
→見積もりがち や 判断しがち とするほうがこなれた感じになるかもしれません。
ハウスはカジノの意味で、カジノで得たお金は堅実な運用に回すことなく、さらなるギャンブルに使ったり、贅沢をしてしまいがちであることからハウスマネー効果という名がついています。
→ここも文章が長いので,2文に分けてはいかがでしょうか?
◆給付金の使い方◆
10万円が手に入るこの機会、逃す手はないのですが、今回の10万円もよくよく考えて上手に使わないと後悔してしまうかもしれません。
→この文を前の見出しに移し,「ハウスマネー効果」の節の結論にしてはいかがでしょうか?
→前の文を移動した場合は,ここに「給付金の使いみちは」という主語を入れたほうがよいかもしれません。
目先の損得や感情でなく、俯瞰的・長期的な視野で使い道を判断したほうがよさそうです。
その方法として、大きく分けて2パターンに集約されると考えています。
パターンその1:家計の予算に組み入れて、家計全体を見てから使い道を決める。
10万円を自分の家計に入れるここは割愛してはいかがでしょうか?あぶく銭の10万円と考えるとついつい派手に使ってしまいたくなるのを防ぐため、いったん、10万円を家計に入れます。
→しまいます。それを防ぐため,
などと,2文に分けてはいかがでしょうか?(文のつながりがややあやしいため)
今までの資産+給付金10万円をこれからの資産として考えて、適切に配分します。これはハウスマネー効果を打ち消す効果的な方法です。
収入が目に見えて減少していて、いままでの資産繰りでは立ちいかない人は、10万円を家賃や生活費など日常の消費にまかなうことになると思います。
→資金繰り でしょうか?
余裕がある人は、必要なものを買ったり、資産運用に回したり、家庭の事情に応じてやりくりすることになります。
それが消費であっても投資であっても浪費であってもいいんじゃないかなと個人的には思います。
大事なのは、「好きに使っていい10万円」ではなく、貯蓄全体をみてその使い道を考えるということですね。
プラスアルファで、今後の収入の見通しも考慮したほうがいいかもしれません。
今後、業種や会社によっては、残業が減ったりボーナスが減ったりして収入の減少があり得ます。
少し保守的にみておいた方が安心かもしれませんね。
パターンその2:10万円給付の趣旨に則って、有効に活用する。
幸福度を高めるお金の使い方をするほとんどの人は、お金を貯めるためではなく、お金を上手に使って幸福を得るためにお金を稼いでいると思います。
→やや意味がややこしくなっています。
幸福度の高いお金の使い方をする人は,お金を貯める目的ではなく,お金を上手に使って幸福を得る目的でお金を稼いでいると思います。 など?
「目的」のような名詞に置き換えていくとうまく表現できそうです。
突如イレギュラーなお金が発生した場合、自身の貯蓄が十分にあって、これからの資産形成も給付金の助けなしで大丈夫という人は、幸福を得るためにそのお金を使う場合があります。
→「発生した」には別の意味もあるので, お金を得た とシンプルな形に置き換えてもいいかもしれません。
今回の場合、国難を克服するための給付金ですので、難局を迎えている方への支援をするために使うというのもありだと思います。
→(好みの問題ですが) 考え方 や 発想 などの名詞に置き換えるときれいになりそうです。
その方法として、寄付をしたり、自分の周りの飲食店で使ったり、自分がどう貢献したいかによって使い道が変わりますね。
必要としているところに使ってほしいという点では、受け取らないという判断もこの範疇だと思います。
どちらを重視するにせよ、大事なことは、自分の頭で考えて、意思をもって消費・投資・浪費することだと思います。
1年後、5年後、10年後にこのことを思い出したときに、あの時の10万円はこう使って良かったと思えるような使い方をしたいですね。
◆私はどうするか。◆
→ここも,中身のわかる見出しに変えてもよいかもしれません。
例:
私は「日本株アクティブファンド」に10万円を投資する
私は折衷案が好きなので、今回のケースでも、自分の家計に入れつつ、幸福度を高められるような使い道を模索します。
私はすでに、私にとって最も幸福度が高くなる使い方を知っています。
それは、日本株アクティブファンドに10万円投資することです。
日本の上場銘柄の中には、労働や自然環境を搾取するなど、一方的に利益を得ている企業があります。
また、不正会計など投資家を蔑ろにした企業も上場を維持しています。
インデックスファンドではそういう会社にまで投資せざるを得ません。
国難を迎えた現在、長期的にwin-winの関係で社会に貢献しつつ利益を上げている企業に投資をして、日本の未来を支えてほしいと考えています。
具体的には、おおぶね日本や結い2101などの信頼性のあるアクティブファンドに投資をすることで、10万円を有効に活用できるだろうと考えています。
アクティブファンドは手数料が高いと言いますけど、今回の場合は10万ですからね。
インデックスで100円(信託報酬0.1% 年間)払って応援したくない企業にも投資をするのか、1000円(信託報酬1% 年間)払って本当に投資したい企業だけに投資するのか、そう考えると私は後者を選ぶだろうなと思います。
もう一つ、保守的な運用として、日本国債の購入も検討しうると思います。楽天銀行に預けると0.1%の金利がもらえるのに、金利0.05%の国債を買うのは不合理にも思えますが、10万円を国に託して必要なところに使ってもらうという納得感が得られるならそれもありだと思います。
ようするに、自分で考えて自分が納得できるやりかたならなんでもいいんですね。
もう一つ心掛けたいことがあります。
ツイッターで、こういう話がバズってました。姉が受けた中国史の講義で「私が皆さんに千円ずつあげるとします。9人まで貰って、10人目の人が断りました。この人は徳が高いでしょうか?古代中国だと、この人は前の9人をdisり後ろの人を受け取りにくくしたので、徳は高いとは言えません。徳の高い人は素知らぬ顔で受け取って、後で返したりします」
— キリヒト (@kirihito) April 22, 2020
もしあなたが11番目の人だったとしても、自分の意志で判断するのが良いと思います。
参考: なぜ孔子は弟子の「道徳的な行い」を間違いだと指摘したのか kabutan
繰り返しになりますが、大事なのは、あぶく銭だとはしゃがずに、まずはきちんと自分で考えることです。資産運用が上手な人は知らず知らずのうちにこれがしっかりとできている印象ですが、今一度、ハウスマネー効果にはくれぐれも気を付けましょう。
以上、そんなことを考えながら、ゴーゴーバランスか$MAINに突っ込む予定のパーサでした。
皆さんの使い道にも興味あります。良かったらツイッターで教えてください。
校閲は以上です。
実際にはググスプのコメント機能でアドバイスを受けています。
コメントに対してさらにコメントを返す形で相互のコミュニケーションをとって、最終的な落としどころを探っています。
ほとんどはそのまま承諾!でしたけど(笑)
●事後アンケートで今後につなげる●
参加条件として、事後アンケートがありました。
私は次のように回答しました。
Q1:第三者の視点を入れてみて役立ったか?
A1:役に立ちました。自分では気づかなかった変な表現に気づかされました。また、自分でもしっくり来ていなかった部分が綺麗に修正されていて気づきが多かったです。
Q2:気になるところは解消されたか? or これまで気づかなかった指摘はあったか?
Q2:上記の通り、新しい気づきがありました。また、全体を通してのバランスや感想についても率直にアドバイスを頂けて勉強になりました。
Q3:このような企画にまた参加したいか?
A3:是非参加したいです。
Q4:もう少し知りたい点はあるか?
A4:自信がある記事でこれだけ修正を受けたということは、そうではない記事はどれだけ修正が入るのかドキドキしています。
Q5:その他、お気づきの点(DMでもGoogleドキュメントのコメントでも構いません)
A5:とても丁寧な校閲で、流石プロだなと感じました。
率直でありながら柔らかい表現で指摘をいただいたので、不快になることなく素直に受け取ることができました。
●私からも逆質問してみた●
校閲を受けてみて、なまずんさんに聞いてみたいことがいくつかあったのでこちらからも質問させてもらいました。
Q1:かかった時間はどのぐらいですか?
A1:2~3時間。3~4回読み直し、ハウスマネー効果など用語の確認もしている。
Q2:有料の場合、いくらぐらいを想定していますか?
A2:3000字程度の記事の場合、解説付きで1000円~1500円、解説不要で校閲案のみであれば500~1000円を想定している。
Q3:記事にしてよいですか?
A3:どうぞご自由に!
・・・というわけで、これ書いてます(笑)
●今回の校閲サービスを受けて感じたこと●
今回の校閲を受けて、改めて自分の記事を俯瞰することができました。
そして、自分の良いところ、改善すべきところが見えてきました。
本格的に有料化されるかどうはまだわかりません。
もし利用可能になったら、例えばnoteで有料記事を書く場合に校閲を受ける・ブログを収益化したら数記事に1回は見てもらうなど、費用を回収できる仕組みができていれば積極的に利用したいなと感じました。
個人的には自信のある記事だったのですが、それでも多くの改善余地があるというのは目からうろこでした。
読者を意識したひらがな・漢字の使い分け、名詞に置き換えてわかりやすくするなどのコツを知れたのが特に良かったです。
とても学びのある機会をいただけて感謝です。
ブラッシュアップされた記事がこちらにありますので是非どうぞ。
”給付金10万円の使い道はこの2パターン”
なまずんさんのブログはこちら
”弱者のゲーム">なまずんの弱者のゲーム”
ねこまにあさんもおなじ校閲を受けていました
”編集のプロにブログの文章を添削してもらったよ!気づいた自分の文章の欠点と強み”
すっきり要点をまとめて振り返っているので読みやすいです

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この記事も”校閲せずにはいられない”って言われるほどの出来だったらどうしよう(笑)
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