怪しい投資に誘われた話
怪しい投資に誘われた話
はいどーも、パーサです。
先日、友人から投資話をいただきました。
それが実におやんちゃな案件で、色々と考えるきっかけとなりました。
ここで共有したいと思います。
〇めちゃめちゃリターンの高い投資案件が舞い込んだ
「パーサさん、こういう投資案件、興味ない?」
ツイッターでオンオフともに交流のある方からお声をかけてもらいました。
怖いもの見たさで興味はありました。
とはいえ、キャッシュポジションが10%ぐらいの家計です。
なかなか300万円や500万円という現金はすぐには用意できません。
きっと投資しないのに資料だけ見せてもらうのも手を煩わせてしまいます。
なので、うやむやにしていました。
ですが、先日、資料を教えてくれました。
興味はあるので、どんなものか見てみました。
事業ジャンルは伏せますが、内容はこのような感じです。
・事業のオーナーになる権利を数口限定で販売します
・想定年間配当金は投資額の7倍
・買戻し保証付き
・大手のプラットフォームで事業を運営するので安心
・運用益は年間1000万ドルを想定。運用会社とオーナーで折半
・500万ドル(約7億)を、20口持ち分5%で按分すると約3500万円
(1ドル140円で換算)
・1口500万円で販売中!
さて、これを見て「やってみたい!」と思った方はいますか。
もうちょっと待ってください。
続きがあります。
・希望の方は半口300万円でも可能
・会社は月利2%を達成
・販売実績多数
・4~5事業を保有する投資家もあり
・先方の意向もあり説明会出席者にのみ会社名をご案内
ここまで来て、よし、連絡取ってみよう!となった方、マジで気を付けてください。
〇引っかかる点(どれもこれも引っかかるが)
まずは、冷静に利回りをチェックしたいです。
年間7億円の利益だとか、20口で3500万円の利益とか謳っています。
年間配当金は投資額の7倍とも書いてあります。
このような見かけの数字に圧倒されないようにしましょう。
年間1000万ドルはあくまでも想定であり、担保されたものではありません。
また、その半分が運営にとられるのですね。
なかなかえぐい配分です。
500万ドルを約7億と表示しています。
これは、1ドル140円の為替レートで計算しています。
今は、130円前後です。
為替リスクがあるということですね。
配当は20口5%の権利持ち分で山分けとなります。
これは、全体で100口あって、そのうちの20口かなと勘違いしがちです。
20口で5%ですから、全体は400口あるわけです。
割合としては少なめです。
そして、想定配当金は500万ドルの5%、25万ドルとなります。
これは、20口での配当金です。
1口あたりでは、1.25万ドルとなります。
1ドル130円では、162.5万円です。
投資額500万円に対し、年間162.5万円、年利では32.5%となります。
これはもはや感覚の世界ですが、年利32%の時点でだいぶヤバいですね。
S&P500の超長期利回りが平均6.9%です。
コンスタントに利益を出し続けるなら、このぐらいの利回りが目安となります。
不動産だと8%~10%は欲しいと言われますね。
これ以上の利回りの投資案件は、資金の毀損リスクも跳ね上がるとみてよいです。
その他にも気になる点が多数あります。
まず、月利2%という表記に危険さが漂っています。
年利では24%です。普通ではありません。
月利が出たら、疑ってかかるというのが王道です。
安心させる文言も多いですね。
買戻し保証付きとありますが、どうみても流動性がある投資ではありません。
相対取引となりますので、この投資をしたいという人を見つけないといけません。
保証内容を精査していませんが、その会社が買い取ってくれるとしても危険です。
会社がなくなってしまえば、元も子もないからです。
また、大手プラットフォームを前面に出しています。
これは、事業がそこで確かに行われる安心材料にはなるかもしれません。
しかし、事業がうまくいくかどうかはまた別物ですね。
事業そのものの可能性を自分で判断する必要があります。
年間想定配当は投資額の7倍とあります。
1億円の投資に対して、7億円の配当が見込まれるという意味でしょうか。
1口500万円、20口1億円の投資に対し、7億円ということでしょうか。
となると、20口では権利持ち分5%しかないですから、他の380口はどういう扱いなのか。
ちょっと引っかかるものがありますね。
半口300万円でもあつかっています。
この場合は、権利も半分です。
それなのに、投資額は半分の250万円より大きい300万円です。
とまぁ、見えている情報だけでもこれだけ突っ込みどころが満載でした。
さらに、見えない部分からも怪しさが漂っています。
何より、会社名が記載されていないのはヤバすぎます。
この案件は投資というより事業です。
相手の顔が見えてなんぼ、信用で成り立つ案件です。
そのはずの相手が表立って見えないのは普通ではありません。
また、この資料はリスクなどネガティブな情報は一切触れていません。
為替リスク、事業リスク、流動性リスクなど、見るだけでも明らかです。
にもかかわらず、マイナスになりそうな可能性を排除しています。
こういうのは、普通ではありません。
投資信託の目論見書など、ちゃんとした資料はリスクについて必ず記載されています。
真っ当な金融商品であれば、金融商品取引法を遵守しなければならないからです。
この資料は、その範疇の外にある、怪しい投資話である可能性が示唆されます。
そしてなんといっても、事業そのものを評価しなければなりません。
事業内容はここでは触れませんが、長期で稼げる内容ではありません。
レッドオーシャンで、流行り廃りの期間が短い事業です。
年間32.5%の配当利回りが何年も続くケースは想定しにくいと判断しています。
〇私はこの案件には投資しません
数枚の資料でこれだけ突っ込みどころがあった案件です。
当然私は投資しないことにしました。
もちろん、これが詐欺案件なのか、権利ビジネスなのか、大儲けできる話なのかは
現時点ではわかりません。
友人が無事乗り越えられることを祈りつつ、私はこの船には乗らずにおきました。
とはいえ、知り合い、まして、投資の話もできる人からの紹介です。
「もしかしたら、しっかり稼げる案件なのでは?」
という考えもぬぐい切れません。
理屈では危険だとわかっていても、心のどこかにもやがかかる状態になりがちです。
その状態をクリアにする魔法の言葉を2つご紹介しましょう。
1つ目は、たぱぞうさんのvoicyで知りました。
奇しくも、最近の投稿で同じようなテーマで話されているのを視聴したところでした。
たぱぞうさんのところには、このような投資案件が実に多く寄せられるそうです。
案件そのものだけでなく、案件を紹介されたけどどうしようという相談も多いそうです。
その中で特に印象に残っていた言葉
「その投資で儲け損ねても後悔しない」
投資していたら稼げたはずなのに、投資を回避することで儲け損ねるかもしれない。
そういう機会損失をどう受け止めたら良いか、この言葉ですっきり解を得ました。
ブレない投資を継続するためには、変な投資に手を出さないのも大事ですね。
参考:たぱぞう投資大学mini
投資で失敗しないために最も大事なこと
https://voicy.jp/channel/3286/428913
もう1つは、金融庁のおかげです。
恒久NISAが新設されることが、令和5年税制改正大綱で発表されました。
2024年からはめちゃくちゃいい投資環境となりますね。
恒久NISAの恩恵を最大限受けるには、非課税投資枠を最短で埋める必要があります。
そのためには、年間で360万円を捻出する必要があります。
私のような一般庶民には、なかなか高いハードルとなっています。
私は、恒久NISAを5年で埋めることを目標にしています。
従って、その他の投資にはしばらく手が出せなくなりそうです。
恒久NISAがあることで、変な投資に手を出す人が少しでも減ったらいいなと思います。
ほどほどの高いハードルがあることで、怪しい投資への障壁となりそうですよね。
・恒久NISAがあるので、少なくとも今は投資をしない。
・この投資で儲け損ねても後悔はしない。
この2つの合言葉で、すっきりとした気分でお断りすることができました。
皆様も、怪しい投資話には十分お気を付けくださいね。

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「パーサさん、こういう投資案件、興味ない?」
ツイッターでオンオフともに交流のある方からお声をかけてもらいました。
怖いもの見たさで興味はありました。
とはいえ、キャッシュポジションが10%ぐらいの家計です。
なかなか300万円や500万円という現金はすぐには用意できません。
きっと投資しないのに資料だけ見せてもらうのも手を煩わせてしまいます。
なので、うやむやにしていました。
ですが、先日、資料を教えてくれました。
興味はあるので、どんなものか見てみました。
事業ジャンルは伏せますが、内容はこのような感じです。
・事業のオーナーになる権利を数口限定で販売します
・想定年間配当金は投資額の7倍
・買戻し保証付き
・大手のプラットフォームで事業を運営するので安心
・運用益は年間1000万ドルを想定。運用会社とオーナーで折半
・500万ドル(約7億)を、20口持ち分5%で按分すると約3500万円
(1ドル140円で換算)
・1口500万円で販売中!
さて、これを見て「やってみたい!」と思った方はいますか。
もうちょっと待ってください。
続きがあります。
・希望の方は半口300万円でも可能
・会社は月利2%を達成
・販売実績多数
・4~5事業を保有する投資家もあり
・先方の意向もあり説明会出席者にのみ会社名をご案内
ここまで来て、よし、連絡取ってみよう!となった方、マジで気を付けてください。
〇引っかかる点(どれもこれも引っかかるが)
まずは、冷静に利回りをチェックしたいです。
年間7億円の利益だとか、20口で3500万円の利益とか謳っています。
年間配当金は投資額の7倍とも書いてあります。
このような見かけの数字に圧倒されないようにしましょう。
年間1000万ドルはあくまでも想定であり、担保されたものではありません。
また、その半分が運営にとられるのですね。
なかなかえぐい配分です。
500万ドルを約7億と表示しています。
これは、1ドル140円の為替レートで計算しています。
今は、130円前後です。
為替リスクがあるということですね。
配当は20口5%の権利持ち分で山分けとなります。
これは、全体で100口あって、そのうちの20口かなと勘違いしがちです。
20口で5%ですから、全体は400口あるわけです。
割合としては少なめです。
そして、想定配当金は500万ドルの5%、25万ドルとなります。
これは、20口での配当金です。
1口あたりでは、1.25万ドルとなります。
1ドル130円では、162.5万円です。
投資額500万円に対し、年間162.5万円、年利では32.5%となります。
これはもはや感覚の世界ですが、年利32%の時点でだいぶヤバいですね。
S&P500の超長期利回りが平均6.9%です。
コンスタントに利益を出し続けるなら、このぐらいの利回りが目安となります。
不動産だと8%~10%は欲しいと言われますね。
これ以上の利回りの投資案件は、資金の毀損リスクも跳ね上がるとみてよいです。
その他にも気になる点が多数あります。
まず、月利2%という表記に危険さが漂っています。
年利では24%です。普通ではありません。
月利が出たら、疑ってかかるというのが王道です。
安心させる文言も多いですね。
買戻し保証付きとありますが、どうみても流動性がある投資ではありません。
相対取引となりますので、この投資をしたいという人を見つけないといけません。
保証内容を精査していませんが、その会社が買い取ってくれるとしても危険です。
会社がなくなってしまえば、元も子もないからです。
また、大手プラットフォームを前面に出しています。
これは、事業がそこで確かに行われる安心材料にはなるかもしれません。
しかし、事業がうまくいくかどうかはまた別物ですね。
事業そのものの可能性を自分で判断する必要があります。
年間想定配当は投資額の7倍とあります。
1億円の投資に対して、7億円の配当が見込まれるという意味でしょうか。
1口500万円、20口1億円の投資に対し、7億円ということでしょうか。
となると、20口では権利持ち分5%しかないですから、他の380口はどういう扱いなのか。
ちょっと引っかかるものがありますね。
半口300万円でもあつかっています。
この場合は、権利も半分です。
それなのに、投資額は半分の250万円より大きい300万円です。
とまぁ、見えている情報だけでもこれだけ突っ込みどころが満載でした。
さらに、見えない部分からも怪しさが漂っています。
何より、会社名が記載されていないのはヤバすぎます。
この案件は投資というより事業です。
相手の顔が見えてなんぼ、信用で成り立つ案件です。
そのはずの相手が表立って見えないのは普通ではありません。
また、この資料はリスクなどネガティブな情報は一切触れていません。
為替リスク、事業リスク、流動性リスクなど、見るだけでも明らかです。
にもかかわらず、マイナスになりそうな可能性を排除しています。
こういうのは、普通ではありません。
投資信託の目論見書など、ちゃんとした資料はリスクについて必ず記載されています。
真っ当な金融商品であれば、金融商品取引法を遵守しなければならないからです。
この資料は、その範疇の外にある、怪しい投資話である可能性が示唆されます。
そしてなんといっても、事業そのものを評価しなければなりません。
事業内容はここでは触れませんが、長期で稼げる内容ではありません。
レッドオーシャンで、流行り廃りの期間が短い事業です。
年間32.5%の配当利回りが何年も続くケースは想定しにくいと判断しています。
〇私はこの案件には投資しません
数枚の資料でこれだけ突っ込みどころがあった案件です。
当然私は投資しないことにしました。
もちろん、これが詐欺案件なのか、権利ビジネスなのか、大儲けできる話なのかは
現時点ではわかりません。
友人が無事乗り越えられることを祈りつつ、私はこの船には乗らずにおきました。
とはいえ、知り合い、まして、投資の話もできる人からの紹介です。
「もしかしたら、しっかり稼げる案件なのでは?」
という考えもぬぐい切れません。
理屈では危険だとわかっていても、心のどこかにもやがかかる状態になりがちです。
その状態をクリアにする魔法の言葉を2つご紹介しましょう。
1つ目は、たぱぞうさんのvoicyで知りました。
奇しくも、最近の投稿で同じようなテーマで話されているのを視聴したところでした。
たぱぞうさんのところには、このような投資案件が実に多く寄せられるそうです。
案件そのものだけでなく、案件を紹介されたけどどうしようという相談も多いそうです。
その中で特に印象に残っていた言葉
「その投資で儲け損ねても後悔しない」
投資していたら稼げたはずなのに、投資を回避することで儲け損ねるかもしれない。
そういう機会損失をどう受け止めたら良いか、この言葉ですっきり解を得ました。
ブレない投資を継続するためには、変な投資に手を出さないのも大事ですね。
参考:たぱぞう投資大学mini
投資で失敗しないために最も大事なこと
https://voicy.jp/channel/3286/428913
もう1つは、金融庁のおかげです。
恒久NISAが新設されることが、令和5年税制改正大綱で発表されました。
2024年からはめちゃくちゃいい投資環境となりますね。
恒久NISAの恩恵を最大限受けるには、非課税投資枠を最短で埋める必要があります。
そのためには、年間で360万円を捻出する必要があります。
私のような一般庶民には、なかなか高いハードルとなっています。
私は、恒久NISAを5年で埋めることを目標にしています。
従って、その他の投資にはしばらく手が出せなくなりそうです。
恒久NISAがあることで、変な投資に手を出す人が少しでも減ったらいいなと思います。
ほどほどの高いハードルがあることで、怪しい投資への障壁となりそうですよね。
・恒久NISAがあるので、少なくとも今は投資をしない。
・この投資で儲け損ねても後悔はしない。
この2つの合言葉で、すっきりとした気分でお断りすることができました。
皆様も、怪しい投資話には十分お気を付けくださいね。

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