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ETFの外国税額控除は法人口座と相性が良いかも!?


ハイどーも、パーサです。

インデックスに投資する場合、かつては、多少の手間がかかってもVOOやVTIに投資するのが最良とされてきましたね。最近ではインデックス投資が広がり、投資信託でも同等のコストで投資をすることができるようになりました。

国内ETFも少しずつ増えてきています。中でも、外国税額控除の自動処理は、大きなインパクトを与えました。投資家の選択肢が増えるのはありがたいことですね。

私は、法人口座では、米国株に投資をする国内ETFを利用しています。そこで今日は、受け取った分配金に対する源泉徴収や税金周りを確認してみましたので共有します。
・外国税額控除とは

外国税額控除は、外国で課税された部分の税額を自国の納税額から控除する仕組みです。外国で課税された後、さらに自国でも課税すると二重課税になってしまいます。そのため、二重課税とならないよう、調整できるようになっています。

VTやVOOなど、海外のETFに投資をしていると、分配金は現地で課税され、さらに日本国内でも課税されます。これを確定申告で取り戻す制度があります。
参考:外国株式・海外ETFは投資信託等に係る二重課税調整の対象か教えてください SBI証券

ただし、住宅ローン控除やふるさと納税をしていると、控除がほとんど受けられない場合もありますね。

一方、海外資産に投資をする投資信託等の場合、その中で出た配当等に対し、まず現地で課税され、さらに証券会社から投資家に分配金を出すときにも課税されていました。この場合、現地で課税される者(運用会社)と個人等の所得の源泉徴収義務者(証券会社等)が異なるため、外国税額控除が出来ませんでした(図1、上段)。

gaikokuzeigaku-hennkou.png

図1.投資信託等の二重課税調整制度 日本証券業協会
※リンク先PDFファイル

この二重課税の状態をクリアする制度が2020年から運用されています。外国での徴税分を証券会社などが調整して分配金を出すことで、二重課税とならない仕組みとなっています(図1.下段)。この制度を分配時調整外国税相当額控除といいます。証券会社などでは、投資信託等に係る二重課税調整という風に表現されています。

確定申告で後から取り戻す従来のような外国税額控除とは異なる制度です。証券会社などが予め調整してくれるので、投資家からすればとても楽で助かる制度設計ですね。

・分配時調整外国税相当額控除の計算

実際に、米国株の配当金が発生した時に、手取りがどのぐらいになるか計算式で確認してみましょう。

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図2.ETFで運用している米国の配当にかかる税金の関係

米国で100の配当が出た場合を例に、計算していきます。国によって税制が異なりますので、この式の通りでない場合もあります。また、正確にはさらに細かい計算式で求めます。ここでは概略をお伝えするため、簡便な式を用いています。

個人の場合、改正前は、まず現地で10%引かれます。
100x10%=10

米国から海を渡って国内の投資信託等へ来るときには100-10=90になりました。ここに、所得税15.315%、地方税5%がそれぞれかかります。
所得税 90x15.315%=13.7835
地方税 90x5%=4.5

100あった配当が、手元に残るのは約71.7となってしまいました。

では、制度の改正によってどのようになったのでしょうか。現地で10%引かれるのは変わりません。

国内の所得税を計算するとき、現地課税分も組み戻して所得税率をかけ、その後現地課税分を引くというちょっと複雑な計算をします。
所得税=(90+10)x15.315%-10=5.315

一方、地方税には調整制度が適用されません。ただし、所得は現地課税分も含めて計算します。そのため、従来の計算方法よりも大きくなります。
地方税=(90+10)x5%=5

改正後は、手元に残るのは約80となりました。改正前の約71.7から比べると、大きな改善となりましたね。

さて、法人の方も見てみましょう。
個人との大きな違いは、法人では地方税が源泉徴収されない点です。2016年税制改正でこのようになっています。
参考:<個人県民税(配当割)>県民税配当割について、法人の取扱いはどうなっているのですか。 徳島県HP

改正前は、現地で10%、残りからさらに15.315%引かれていました。
手元にくるのはおよそ76.2でした。

改正後は、約85となりました。

この制度では、地方税は従来より高くなるという特徴がありました。ところが、法人ではそもそも地方税がかかりません。そのため、特に法人での運用は相性が良いことがわかります。

・実際に受け取った分配を元に確認

先日、MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)の分配金を受け取りました。上記の式があっているか確かめてみます。

2558devidend230714.png
図3.2558分配金 20230714

2558の6月の国内税引き前配当金額は29140円でした。これはすでに現地課税分が引かれた値です。
よって、求める式は、
所得税率=所得税額÷現地課税前配当金x100(%)
      =所得税額÷(国内税引き前配当金額÷9x10)x100(%)
      =1837÷32377x100(%)
      ≒5.67%

2558の分配金には、所得税の源泉徴収として5.67%引かれていることがわかりました。理論値の5.315%に近い値ですね。多少の誤差や、端数の処理でずれが生じるものと思われます。

ついでに、iシェアーズ 米国債20年超(H有)(2621)の分配金も確認してみましょう。

2621devidend231117.png
図4.2621分配金 20231117

外国税額控除が適用されるのは、株式や不動産のようで、債券は対象ではないようです。
参照:投資信託等に係る二重課税調整について 楽天証券

所得税率=所得税額÷配当金額(税引き前)
    =3233÷21114
    =15.312%

15.315%と非常に近い数字が出ました。これはもう誤差の範囲でしょう。債券である2621では二重課税が調整されておらず、きっちり源泉徴収されていることがわかりました。外国税額控除の対象かどうかは、今後の投資判断に影響を与えそうですね。なお、JPX日本取引所グループには、対象となりうるETF等の一覧が掲示されています。

参照:証券税制・二重課税調整(外国税額控除)について 日本取引所HP

・法人口座とETFは相性が良い

というわけで、分配時調整外国税相当額控除の実際を確認してみました。

・二重課税が考慮され、分配金を受け取りやすい
・地方税がかからない法人口座と相性が良い


このようなメリットがあることがわかりました。

また、ETFは投資信託よりも資金繰りが早い、狙った価額で売買できる、分配金の形で読みやすいキャッシュフローが得られる、などのメリットがあります。

配当をそのまま再投資するならば、投資信託の方が有利なことは変わりありません。一方、法人で受け取った分配金は使途が広範です。経費と相殺させるなど、幅広い活用が見込めます。個人では投資信託メイン、法人ではETFを活用するなど、使い分けの選択肢も増えますね。

私は引き続き、法人ではETFメインで増やしていこうかなと考えています。
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手取り17万なのに家賃7万で生活できるのか?
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投資ド素人サラリーマンが資産運用に興味を持ち始め、それらの記録がてらブログを始めました。
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2016年、FP3級を取得
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